1件のメールからそれは始まった。

俺とA美は大学時代の同級生で同じテニスサークルの仲間だった。

最初の3年間はずっと仲のいい友人だった。
A美にも彼がいたし、俺にも彼女がいた。

ときには4人で合同デートをした時もあった。

俺とA美は本音を言い合える仲で、そんな俺たちを見て元カノが
やきもちを焼いたりもしていた。

大学4年の春、あまりにも仲が良すぎる俺とA美を見ていた元カノが
俺たちの仲を疑い始めた。

「二人の間には絶対に友情以上の何かがある」
そう言ってきかなかった。

何もなかった。
そのころA美との間にあったのは確かに友情だけだ。
好きなんていう感情は全くなかった。

結局元カノは俺のことを信じられなくなって夏前に破局した。

A美の方は相変わらず彼とラブラブで、しょっちゅうのろけ話を聞かされた。

それが秋が深まる頃に一転した。
11月の初旬頃にA美が泣きながら俺に電話をかけてきた。
「どうした?」
A美は泣きじゃくっていた。
「泣いてたらわからないよ」
泣いてばかりいるA美にらちが明かなくなった俺は
「今から行くから」
と言って部屋を飛び出した。

A美の部屋に着くと真っ赤に目をはらしたA美が俺に抱きついてきた。
「何があったの」
「あいつ、私のほかに女がいた」
「え?」
「二股してた」
「あいつが?へー」
「へーって何よ!」
「あ、いや・・・ごめん」
「私じゃないんだって」
「何が?」
「本命は私じゃなくてもう一人のほうなんだって」
「・・・」
「私は遊びだったんだって」

そう言ってA美は俺の胸で号泣した。
そのとき初めてA美をかわいいと思った。
俺にすがりついて泣くA美が愛おしいと思った。

俺は泣いているA美をきつく抱きしめて
「俺がいるだろ」
自然にそう言っていた。

その夜俺たちは結ばれた。

周りのサークル仲間からは展開早すぎ!と、もてはやされたが
いつかはこうなると思っていたという意見も意外と多かった。

俺たちの交際はこうしてスタートした。

大学を卒業してお互い社会人になっても必ず週に1回はデートをした。
年に2,3回は旅行もした。

付き合って2年がたったころ、俺がA美の部屋に転がり込んだ。

その前からほとんどA美の部屋に入り浸りだったけれど、契約更新とともに同棲生活を開始した。

同棲生活は楽しかった。
大好きな人とずっと一緒にいられることがうれしかった。