今、A美は友達と箱根にいるはずだった。
○○ホテルは都内にあるホテルのはずなので俺はどういうことなのかまったくわからなかった。

どう対処しようか迷っているとまた、A美からまたメールが入った。

『ごめん。間違えて送信しちゃったみたい。気にしないでね』

意味のわからないメールを送られてきて気にしないでいられるほど俺は単純ではなかった。

箱根へ一緒に行っているのは俺たちの大学時代の共通の友達のはずだった。
俺はその友人に連絡を取ろうかと考えた。
しかし、人を疑うのはあまり趣味ではないので、違う友達と行っているのかもしれないと思い直してやめた。

俺はその日結局何もしないで寝た。
下手に動いて何か変な展開になっても困る。
何もないまま・・・このまま無事に結婚までいきたいと強く思った。

次の日の夕方A美が帰ってきた。
何も問い詰めないのも変だと思い、一応昨日のメールの話をしようと俺は考えていた。

しかし、そんな暇もなくA美から話題を出してきた。
「昨日のメール変だと思ったでしょう」
「うん。何の事だか分らなかったから」
「実は、E子の仕事が遅くなったから、箱根をやめて○○ホテルに泊まることにしてさ」
「へー」
「で、間違えてそっちにメールしちゃったってわけ」
「そうだったんだ」

怪しい・・・俺は直感でそう思った。

そのあとA美は箱根に行きたかったとしきりに話していた。

ものすごく怪しい感じがした。
嘘をついているときのA美は異様におしゃべりになる傾向があった。

何年か前に、A美がサークルの仲間と俺の誕生日サプライズを計画したとき
俺に一生懸命サプライズを隠しているあまりにおしゃべりになりすぎてポロっと
しゃべってしまったことがあった。

俺は気がつかないふりをして、サプライズパーティーの時はすごく驚いた真似をした。
なんていうことがあった。

こんなにひたすら隠そうとしているということはもしかして男か?そう思った。

しかし俺たちは結納をしたばかり、いくらなんでもそれはないだろうと思い直した。
今は彼女を信じたかった。

俺は今まで、人の携帯電話を見るという行為はしたことがなかった。
する必要もなかったし、人の携帯を見て自分の得になることなんて99パーセントないと思っていた。

A美は風呂に入っていて、俺の目の前にはA美の携帯があった。

彼女がお風呂に入ると確実に1時間は出てこない。

俺はA美の携帯に腕を伸ばして中を覗こうとした。